誤りやすい事例3


©新潟県新潟市神田公認会計士・税理士事務所
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誤りやすい事例④(被相続人以外の名義の財産)

 

被相続人名義以外の財産

名義にかかわらず、被相続人が取得等のための資金を拠出していたことなどから被相続人の財産と認められるものは相続税の課税対象となります。

具体例

①被相続人が購入(新築)した不動産でまだ登記をしていないもの

②被相続人の財産と認められる預貯金、株式、公社債、貸付信託や証券投資信託の受益証券等で家族の名義や無記名のものなど

 

状況

私は、父の死亡に伴い、父の自宅の金庫を確認したところ、父名義の預金通帳のほかに、私名義の定期預金証書を見つけました。この定期預金は、父の収入から預け入れたものであり、父が管理・運用をしていました。また、私は過去にこの定期預金について、贈与を受けたことはありません。

誤り

申告書には、被相続人である父名義の財産だけを記入すればよいと考え、私名義の定期預金は記入しませんでした。

正解

名義にかかわらず、被相続人(父)が資金を拠出しているなど、被相続人の財産と認められるものは相続税の課税対象となります。あなた名義の定期預金が被相続人の財産と認められるときには、申告書に記入することとなります。

 

 

誤りやすい事例⑤(還付金を受領している場合)

 

被相続人の準確定申告に係る還付金等

還付請求権は(本来の)相続財産であり、相続税の課税対象となります。還付請求権は、被相続人の死亡後に発生するとしても、被相続人の潜在的な請求権が被相続人に帰属しており、これが被相続人の死亡により顕在化したものと考えられます。したがって、これらの請求権に基づいて還付金を受け取った場合は、相続税の課税対象となります。

 

状況

相続人である私は、父の死亡後、父の所得税の準確定申告書を提出し、所得税の還付金(15万円)を受け取りました。

誤り

所得の準確定申告に係る還付金は、父が亡くなった後に相続人である私が手続をとって支払を受けたものであることから、相続財産ではないと考え、申告書に記入しませんでした。

正解

所得税の準確定申告に係る還付金は、被相続人に帰属する財産であり、相続財産に該当するため、申告書に記入が必要です。

後期高齢者医療保険料や介護保険料の還付金なども相続財産に該当します。また被相続人の所得税の準確定申告で納付することとなる所得税は、相続財産の価額から差し引くことができる債務となります。

 

 

誤りやすい事例⑥(未支給年金)

 

相続税の課税対象とならない年金受給権

死亡したときに支給されていなかった年金を遺族が請求し支給を受けた場合は、その遺族の一時所得(所得税)の対象となり、相続税は課税されません。また、厚生年金や国民年金などを受給していた人が死亡したときに、遺族に対して支給される遺族年金は、原則として所得税も相続税も課税されません。

 

状況

私は、夫の死亡後、夫が生前に支給を受ける予定であった国民年金(未支給年金)を請求し、国民年金を受け取りました。

誤り

夫が生前に支給を受ける予定であった国民年金は、夫の相続財産であると考え、未支給年金として申告書に記入しました。

正解

未支給年金については、被相続人の遺族が、未支給年金を自己の固有の権利(その者の権利)として請求するものであり、被相続人の死亡に係る相続税の課税対象にはなりませんので、申告書には記入しません。なお、遺族が支給を受けた未支給年金は、支給を受けた者の一時所得(所得税)に該当します。